優しさは目に見えない貨幣のようなものだ。

そしてそれは信頼によって取引される。実際の貨幣と同じように。
幼い子供に向けられる優しさは、未来への盛大な投資としてたっぷり支払われる。
けれどその投資の回収は、投資を受けた子供自身から受け取る形にはなっていない。

優しさを払うと貰えるのは、受け取りの証としての感謝の言葉のみ。
払われた優しさ自体は、別の人間への支払いに使われる。
循環させること。それだけが根拠のない信頼を支えている。

そして信頼だけで成り立っている貨幣を駆逐する存在。
人の優しさを食いつぶすだけの不良債権。
そこへ優しさを支払い続けることは、優しさの循環世界を崩壊させる悪行に他ならない。
優しさは無限だ、けれどその無限を支えるのは信頼だ。

信頼を崩されたとき、優しさは消滅する。

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